2024年に初めての海外登山を台湾の玉山で楽しみました。
なにせ初めてのことばかりで手配から実行まで大変だったのですが、それだけに登山は楽しく山頂の大展望に感激したものです。
今回は二匹目のドジョウを追い求めてマレーシアのキナバル山に行ってきました。
旅の手配や現地の様子など、これからチャレンジする方にとって役に立ちそうな情報になればと思います。
目次
1.現地ツアーを利用
玉山では入園申請や宿泊予約などすべて個人手配で行ったのでキナバル山も同様にと考えていたのですが、ちょっと厄介なのが入山にあたっては「現地ガイド同行が必須要件」ということ。
もちろん、現地ガイドのあてなどあるはずもなく、結局はボルネオトレイル等の現地ツアー会社を利用せざるを得ないということに。
最も安く短時間でのツアーを調べてみると、コタキナバル市内(空港)発着での1泊2日コースなのですが、これだと前夜に飛行機で到着したら翌早朝にはバスに揺られて登山口に向かい、そのまま弾丸登山的なことになる…。疲れがあったり高度順応ができていないと高山病も怖いし…。ということに。
そこで、1日目はキナバル公園内でトレッキングして体を慣らして、2~3日目でキナバル山を登るというプランにし、これを扱っている「NTC自然と文化の旅」という日本の代理店で現地ツアーを申し込むことにしました。
2.山行計画概要
旅程/山行計画は概ね以下のように計画しました。
【日程】2026年4月13日~18日(5泊6日)
4月13日:磐田P 6:05 ⇒ 8:17 NGO (遠鉄eWing)
NGO 10:25 ⇒ 16:00 SIN 17:00 ⇒ 19:30 BKI(シンガポール航空)
4月14日:ツアー1日目
ハワードジョンソンホテル 9:00 ⇒ 11:00 キナバル公園(チャーター車)
キナバル公園トレイル散策 (約3時間)
キナバル公園Rock Twin Share (ツインベッド泊)
4月15日:ツアー2日目
Rock Twin 7:30 ⇒ 公園本部でガイドさんと合流 ⇒ティンポホンゲート移動 ⇒入山
ティンポホンゲート 9:00 ⇒ 15:00 ラバンラタレストハウス (約6時間)
4月16日:ツアー3日目
ラバンラタレストハウス 2:30 ⇒ 6:00 キナバル山山頂 6:30 ⇒ 8:30 ラバンラタ 9:30
⇒ 13:30 ティンポホンゲート (約11時間)
キナバル公園 15:00 ⇒ 17:00 ハワードジョンソンホテル(混載車)
4月17日:BKI 10:10 ⇒ 12:30 KUL 14:10 ⇒ 22.35 HND (エアアジア)
ルートイン蒲田泊
4月18日:蒲田 ⇒ 品川 ⇒ 掛川 ⇒ 袋井
3.旅の手配
前述のように現地発の登山ツアーは旅行代理店に依頼しましたが飛行機やコタキナバル市内ホテルは自己手配で進めました。
【現地ホテル】
・コタキナバル市街の「Howard Johnson by Wyndham Kota Kinabalu City Centre」をAgodaで予約しました。
・日本人も多く利用しているホテルらしく、日本人にはバスタブ付きの部屋を押さえてくれるとの前評判。
・実際、今回2泊しましたが、共にバスタブ付きの部屋でした。
・また、併設のレストランの食事も比較的日本人に合うのではないかと思いました。


【エアフライト】
・往路のシンガポール航空/復路のエアアジアは各Webサイトで予約しました。
・シンガポール航空は機材も食事も良く安いです。
・対してエアアジアはLCCなので窮屈でサービスも良くない割に羽田便ということで高かくつきました。

【現地ツアー】
・ツアーは「NTC自然と文化の旅」とのメールでのやり取りで質問/調整/予約決済を進めました。
・費用はマレーシアリンギット決済で、決済日のレートにて日本円を振込み。
・ハワードジョンソンに専用車が迎えに来るとことからツアーは始まり、同ホテルに帰ってくるところまでがツアーの範囲で、NTCがボルネオトレイルに現地委託しています。
・現地ツアー内では、送迎車の運転手さん、キナバル公園ではボルネオトレイルの担当者、公園本部の受付、そしてガイドさん等とコミニュケーションが必要ですが、すべて英語でOK。トラブルもありませんでした。
NTC自然と文化の旅Webサイト
4.キナバル山の気候
今回の山行は4月でしたが、比較的降雨の少ない時期だということです。
日々の天気は同じようなパターンが繰り返されており、以下のような予報でした。
朝方~午前中:雲が少なく良く晴れる。
午後2時前後:中層に雲が沸き上がって、下界では小雨が降ることもある。雲の高さは3000~3500mくらいなので、登高が進めば雲海の上に出られる。
中層雲は夜半頃に消えて、朝方には晴れてくる…といった毎日の繰り返しでした。
気温について触れておきますと、
下界:28~30℃
キナバル公園:20℃前後
ラバンラタレストハウス:10~5℃
山頂:5℃前後
…といった具合でした。
ラバンラタレストハウスのベッドは薄い毛布一枚だけなので少し寒く感じました。(若干着込んで寝た)
5.高度順応/暑熱順化
前夜着で始まったツアー1日目ですが、この日の目的は体を慣らすこと…高度順応と暑熱順化のためキナバル公園内のトレイルをハイキングしました。
話を少し戻しまして台湾の玉山に行った時の話ですが、この時は阿里山で高度順応を行いました。
よく覚えているのですが標高2400mのハイキングコースを僅か3時間足らずの散歩でしたが、バスで急激に高度を上げてきた体には負担は大きく、かなり息が切れた思い出があります。
山行リンク⇒2024年の阿里山(散歩)
しかしながらこれが功を奏して、翌日からの玉山山行では息が上がることも高山病の気配もありませんでした。
そのような経験から今回のキナバル山においても高度順応を行っておこうと思い、また日本では雪山が終わったばかりの体には20℃のスタートはキツイということで暑熱順化も加えて「Klau View TrailとMenpening Trail」を周回することにしました。
結果はというと、気温は20℃程度なのですが湿度が高く大汗💦で、標高は1700mほどなので高度順応には高さが足りず、翌日のラバンラタレストハウスまでの登高はやや酸素不足感が続くことに。
やはり、少なくとも2500mくらいの標高は欲しいところですね。
山頂アタックの朝ですが、高山特有の息苦しさはあまり感じませんでした。前日のラバンラタレストハウス着が早めであったこともあり滞在時間が長かったため、休息も取れて高度には慣れたようでした。
高度順応のトレイルハイキングはあまり役に立たなかったかもしれません。

6.いざキナバル山へ
a)レイヤリング
レイヤリングを考えるのには、まず天気予報ですが…
キナバル公園出発時 晴れ/20℃/無風
ラバンラタレストハウス着時 曇り/10℃/2~3m/s
ラバンラタレストハウス発時 晴れ/5℃/4~5m/s
キナバル山山頂着時 晴れ/5℃/6~8m/s
といった気象条件でしたので、レイヤリングは以下のようにしました。
キナバル公園出発時=メッシュアンダー/半袖ジップシャツ+極薄地パンツ
山頂アタック時=半袖アンダー/長袖ジップシャツ/ニットミッドレイヤー/ミッドシェル
+サポートタイツ/薄地パンツ
概ねこのレイヤリングで過不足はありませんでした。
山頂アタック時はニットの中間着+ミッドシェルでスタートしまして、そのまま山頂まで。
山頂で朝日が出てからはどんどんと暑くなるので脱いで脱いで降りてくる…という形でした。
そしてラバンラタレストハウスで荷物をまとめる際に半袖に着替えて下山…でした。
b)装備
以下のような装備で臨みました。
今回はガイド付きツアーということと火気使用禁止ということでツェルトとストーブ/非常食セットは持っていきませんでした。
【山行装備一覧】
アウタ-シェル(上下), ミッドシェル(フリース、ニット), ミッドレイヤー, ジップシャツ(半袖, 長袖), アンダ-ウエア(ノースリーブメッシュ, ポリエステル半袖), サポートタイツ, ズボン(極薄/薄地), 靴下(登山靴用、小屋用), グローブ(夏用、冬用), ウインドブレーカー, BUFFビニ-, 靴, ザック, ザックカバー, 昼ご飯(ツアー支給), 行動食, 飲料, ハイドレーション, テルモス, 地図(地形図), コンパス, 笛, 計画書, ヘッドランプ, 予備電池, GPS, ファーストエイドキット, トイレットペーパー, 非常食, 日焼け止め, 保険証, 携帯, 時計, サングラス, タオル, ストック, カメラ, ザブトン, ダイアモックス, 変換プラグ, ウイスキー, 炭酸水, パスポート, 通行証
c)トレイル/小屋の状況
【登山道】
・ティンポホンゲートをスタートすると直ぐに階段の下りとなり、その後登りが始まります。
・前半は小石のある土道で、階段も良く整備されて歩きやすい登山道です。
・ラバンラタレストハウスに近づいてくるとだんだんと急になって露岩や急な木段が出てきますが、木段には手すりが設けられて安全に配慮されています。
・ラバンラタレストハウスから山頂に向かう登山道は更に勾配が増して板幅の狭い木段が連続し、サヤッサヤッハットチェックポイントを過ぎるといよいよ溶岩帯に入ります。
・溶岩帯は太めのロープが張って有り、急なところはロープをもって登ることができますが、やや太く握りにくいです。
・ロープは山頂まで続いており、ロープに沿って登ればルートを外すことはありませんが、足元の段差の少ないところを探しながら登ったほうが楽です。

【休憩場所】
・登山道にはシェルターと呼ばれる東屋が点在しています。
シェルターにはベンチやテーブルが設置されており腰を下ろして休むことができます。
・また、水洗のトイレも完備ですがトイレットペーパーはありませんので持参する必要があります。
・一部手を洗う蛇口もありましたが、飲用不可の注意書きがありました。

【山小屋】
・宿泊する山小屋はPANALABANというエリアに点在し、私たちはラバンラタレストハウスに宿泊しました。
部屋は2段ベッドの4人部屋で、当日は我々2名とフィリッピン人1名の計3名でした。
・ベッドは清潔で部屋の居心地も良かったのですが、毛布が薄くて夜半には少し寒さを感じました。
・シャワーは温水がでないので、寒くて使う気にはなれませんでした。
・部屋にコンセントはありますが、使用できません。携帯の充電にはモバイルバッテリーを使用しました。
・山小屋の食事ですが、食堂があるのはラバンラタレストハウスだけで、他の小屋に泊っている登山者やガイドも一斉にラバンラタに集まってきます。
当日は4:30からの食事でしたがかなりごった返すので早めに列に並んで食事を始めたほうが良いかもしれません。
(自分たちは持ってきたウイスキーでまったりしていたので、食事は遅くなってしまった。)


7.山行概要
【1日目】
・ティンポホンゲートのスタートは快晴でしたが、10時過ぎには雲が沸いてきて曇り空の中の登高でした。樹林帯の中で直射日光も少なくてまだましでしたが、それでも標高の低いとことは大汗でした。
・ラバンラタレストハウスに到着する頃には雲の上に出て良い天気となり、雨に降られることも無く1日目を無事終了。
【2日目】
・1:30起床/2:00軽食/2:30出発とあわただしく、ヘッデンでのスタート。眠いのと暗いのでなんだかよくわかっていない中を、ド急な木段をヒイヒイ言いながら登り、スラブ岩をロープにつかまり力任せに登ったり。
・山頂直下までは自分が先行していたのですが、直下のガレからはガイドさんが小さなステップで登れる巻き道を先導してくれたのがありがたい。
・そして朝日を浴びながら無事山頂へ。
山頂はかなり狭く、ガイドさんによると写真待ちに時間がかかると言っていましたが、それほど混む前に登頂できたので比較的直ぐに記念撮影も終えることができました。
・山頂で30分ほど写真撮影や休憩の時間を持ちその後下山へ。
ラバンラタレストハウスに戻って帰り支度を済ませての下山となりました。
山行詳細⇒ヤマレコの山行記録へ






8.費用
a)現地払い
出発前にマレーシアのお金事情を調べてみたところ、各コード払いのマネーやクレジットカードでの支払いで済んでしまいそうだということはわかっていたのですが、現金での支払いもいくつか考えられるので以下の3つの手段を準備していきました。
1.現金
2.クレジットカード(VISAタッチ)
3.Grab-pay(スマホ決済)
・現金はコタキナバル空港で10000円を換金しましたが、レートはかなり悪いです。
結果ですが、現金での支払いは…
空港からホテルのタクシー=RM30
キナバル公園での荷預け代=RM15
ガイドさんへのチップ =RM50
…の約RM100だけで、残った現金は帰りの空港でお土産代に消えていきました。
・一番役に立ったのはVISAタッチでした。コンビニでの買い物、キナバル公園本部でのデポジットやTAXの支払い、更にはレストランの支払いなど、すべてVISAタッチを利用しました。
マレーシアでは1%の手数料が乗りますが、それでも換金レートが高い現金より1割くらい安く済みました。
・Grab-payは期待していたのですが、残念ながら設定がうまくできませんでした。
予め日本でアプリのインストールやカードの登録を済ませておいて、現地に入ったところでチャージしようとしたところ、登録しておいたクレジットカードが使用不可に!
別のクレジットを登録してみたものの、これもやはり使用できずに諦めてしまいました。
原因はよくわからず…もう少し勉強が必要のようです。
b)総費用
この先キナバル山へ行かれる方の参考に費用の集計をしてみました。
冒頭に記しました山行計画概要で旅を進めてきましたが、概ね309,000円の費用が掛かりました。
最も多きかった出費はツアー代金でしたが、2泊3日のツアー(2日間のガイド付き)としては妥当な金額なのかな…と思いますが、ここのところの円安で負担感はちょっと大きかったかも。

以上、キナバル山行をまとめてみましたがご参考になれば幸いです。
