2024年の夏。今年も暑い夏ですが、年々暑さが厳しくなっていると感じているのは私だけでしょうか?
避暑を求めて標高の高い山を目指すのですが、稜線上に居てもあまり涼しさを感じないし、突然の雨や雷のリスクも高まっているように感じています。
今回は私が感じている夏山の気象とリスクについてお話ししようと思います。
気温や湿度
例年、7月末の梅雨明けには早速2500m以上の山へ出かけるのですが、今年は南アルプスの聖岳から上河内岳~茶臼岳~仁田岳の縦走にでかけました。
標高1160mの聖沢登山口から3000mまで登って、930mの畑薙夏季駐車場へ降りるというコースですが、登山/下山口の標高が低いので気温が高いという難点があるコースです。
(山行記録はこちら⇒聖岳 上河内岳 茶臼岳 仁田岳縦走)
また、南アルプスは森林限界が約2700mなので樹林帯が長く、日陰があるのはありがたいのですが風が通らないという難点もあります。
私が登った7月末は下界では今季最高気温!などと予報される日で、山でも気温が高く風が弱かったのですが、一番の苦しみは「湿度!」でした。
初日の聖平小屋までの標高を風ぐ日と、最終日の茶臼小屋からは畑薙夏季駐車場への下山が最も辛く、大汗をかいた日でしたが、状況と対応は以下に。
水分とミネラルは必須!
初日は7時間の登高でしたが、スタートから気温が高くて湿度もMAX。更に風が無いという地獄の暑さの中で7時間の行動でしたが、水=1.0L 、ポカリスエット0.5Lを担いで行き、途中の水場で0.5Lを汲みましたので計2.0Lの消費ですが、水場で直飲みもしているため2.5Lくらい費やしたかもしれません。
また、ザックのポケットには大量の「塩分+クエン酸タブレット」を突っ込んでおいて何個もなめていました。
登山計画作成時に必ず水場の確認をしておきましょう。特に夏山は高温多湿な日が多くなっていますので、場所と枯れていないか?について、直近のヤマレコやYAMAPの山行記録を検索して確認しておきましょう。
躊躇せず体を冷やそう!
初日の登高時や最終日の下山時など気温が高いところで役立ったのは「冷却シート」でした。
数年前から夏場は必ず携行するようにしているのですが、タオル状の冷却シートを頸動脈部に巻き付けることで、血流量の多いところを冷やすことができます。
私が使っているものをご紹介しますと、「Bioreの冷バンド(タオル)」というもので、バンドが92㎝、タオルが46㎝の長さがあります。
ウエアの襟の内側に挟み込んで頸動脈を冷やすようにしていますが、1時間弱くらいは持続するので効果的だと思いますよ。
もう一つは「沢」ですね。
暑いときは靴を脱いで沢に入って、頭から水浴びをして積極的に体を冷やしましょう。
水量の多い急流では危険なので避けたほうが良いですが、流されないような沢であれば休憩に時間を費やしたとしても、その後がかなり楽になると思います。
天候の急変
いうまでもなく、夏山では太陽光の日射によって対流が発生し積雲となり、そして積乱雲に発達して雨が降ることがしばしばあります。
が、気のせいか、この数年で雲の沸き上がる時間帯が随分と早くなってきたように思えます。
先ほどの7月末の聖岳縦走もそうでしたが、8月の槍ヶ岳でも感じました。
例年ですが、午後になると下層雲が沸き上がってだんだんと積雲になってくるのですが、今年は10時頃には雲が沸き上がってくる日が多かったですね。
(山行記録はこちら⇒槍ヶ岳(飛騨沢↑、槍沢↓))
GPVなどの気象予測を見ていても、午後の早い時間帯に降雨があるといった予報も多くみられるので、「早立ち早着」の行動を取る日が多く、おかげで今のところ雨具のお世話にはならず山行をこなしています。
夏山では早朝から行動ができ、1日を通して長い時間の山行が計画できる適期なので、10時間以上の行動計画を組みたくなってしまうところなのですが、この数年の天候変化を見たときに、やはり「早立ち早着」を強いられる日が多くなっていることを鑑み、8時間程度の行動時間で計画をしておくことが大事なのではないかと考えました。
8時間というとやや短いように思えますが、午後の天気が怪しいとなれば、4時に出れば12時には目的地に着けますし、4時スタートならばヘッデンを照らしている時間も1時間程度なので、登山道を見失うリスクも少なくて済むと思います。
夏山登山で感じた変化やリスクについて感じたことをかかせてもらいました。
皆さんの安全登山のお役に立てれば幸いです。