2024年の東北遠征から車中泊車が変わりましたのでご紹介します。皆さんの旅の参考にしてください。
軽自動車での車中泊旅
私は2017年より登山や一人旅に車中泊を利用するようになりました。
登山では早朝に入山することが多いため、旅館やホテルなどを利用すると登山口まで遠かったりして思い通りに行動できなかったりします。
そこで、車中泊ができるように軽自動車(N-Box)にベッドキットを組み込んで、道の駅や登山口の駐車場で前泊するようになりました。
また、車中泊車ができたことで費用的にも圧縮できるため、北海道、、東北、山陰、四国や九州などへ遠征をすることも多くなりました。
車中泊を初めて7年たちましたが、軽自動車での生活は一人用テントでの生活に似て狭いながらも楽しいものでした。でも、雨の日はベッドを展開するのに自分が濡れてしまったり、ベッドを展開してしまうと猫背で食事をしなければいけないなどといった不便な面もありました。
新しい車中泊車/ステップワゴン
2024年3月にそれは突然始まりました。
もう一台所有している普通車が老朽化しているのでこの際だからミニバンに変えて車中泊をもう少し快適にしよう…と妻と相談したところ、理解のある妻で良かった!即OKということになったのです。
どうせいじくり倒すのだから中古車でいいけど、ADASがしっかりしている高年式車が良いなぁ…1世代前のステップワゴンは「わくわくゲート」だから車中泊で使いやすそうだし…なんて探していたら、近くのディーラーに19Mのステップワゴンを見つけ、ちょっと見に行ったつもりが即購入契約となり、そうと決まれば遠征に間に合うように準備するぞ!とベッドキットや窓の目隠し購入、ポータブル電源や電子レンジを準備して設置やらと大忙しでの準備となりました。
ステップワゴンで東北遠征行くぞ!
「東北残雪期遠征(山行編)」でも触れた通り13泊14日の遠征となりましたが、道の駅での車中泊が10泊となりました。
月日 | 行動概要/山行記録リンク | 温泉 | 宿泊 |
4月27日 | 移動(静岡→千葉) | ばんやの湯 | 道の駅グリーン ファーム館山 |
4月28日 | 烏場山(千葉) | 道の駅 奥久慈だいご | 道の駅 奥久慈だいご |
4月29日 | 奥久慈男体山(茨城) | さんたの湯 | 道の駅 りょうぜん |
4月30日 | 霊山(福島) | 飯坂温泉 はなももの湯 | 道の駅 たかはた |
5月1日 | フラワー鉄道長井線(山形) | 赤湯温泉 ゆこっと | ホテル マウント磐梯 |
5月2日 | 東吾妻山,一切経山(福島) | 桂の関温泉 | 道の駅 関川 |
5月3日 | 二王子岳(新潟) | まほろばの湯 | 道の駅朝日 みどりの里 |
5月4日 | 移動日(新潟→秋田)、堺田分水嶺 | ハイルザーム 栗駒 | 道の駅 厳美渓 |
5月5日 | 栗駒山(秋田) | 新湯 くりこま荘 | 道の駅 おおゆ |
5月6日 | 八甲田山(青森) | あねっこの湯 | 道の駅 雫石 |
5月7日 | 秋田内陸縦貫鉄道(秋田) | 豆板温泉 三峰荘 | 道の駅 やまなみ |
5月8日 | 泉ヶ岳(宮城) | ゆ処悠々 | ルートイン 多賀城駅東 |
5月9日 | 仙台港(フェリーで名古屋港へ) | (フェリー) | フェリー |
5月10日 | 名古屋港→静岡 | —- | —- |
やはり車が大きくなって電子レンジや湯沸かしポットが使える環境になったのは大きな変化でとても便利になりました。
1.食事の変化
一番大きく変わったのは夕食でした。
軽自動車の頃は車内で食事をすることに難があり、また道の駅ですと車外に椅子やテーブルを出すこともマナー違反となるため、温泉やレストランが併設された道の駅等をよく使っていましたが、レストランが無かったりするとコンビニ弁当で済ませていたものです。
しかし電子レンジ調理やお湯が直ぐに沸かせる環境になったことで、コンビニのチルドや冷凍の食品が使えて、また暖かいものが食べられるというのは素晴らしい変化です。
(また、コンビニの冷凍食品って美味しいです。)
2.助手席が使える幸せ
同じく大きな変化があったのは座席です。
軽自動車では助手席はベッドキットに塞がれて使えませんでした。なので雨の日とかは運転席で弁当を食べて、その後に運転席をベッドキットで覆うという流れでした。
ハンドルのある狭いところで食事をするのはなんとも味気ないことでしたが、不便を楽しんでいたわけです。
ステップワゴンになったことで、助手席と運転席はベッドで覆われることも無く、自由に使えるようになりました。
3.わくわくゲートの使い勝手
わくわくゲートって御存じでしょうか?
日本製のミニバンではステップワゴンだけだと思いますが、観音開きのように開くバックドアで、もちろん他車と同じようにバックドア全体を跳ね上げるように開くこともできます。
この横開きドアが車中泊ではとても使い勝手が良くて、最新型には搭載されていないため、あえて中古車を探した理由にもなっています。
例えば、ベッドエリアへの出入りですが、跳ね上げ型ですとバックドアが大きく開くので車の後部に大きなスペースが必要ですが、横開きドアだと少ないスペースでまた小さな力で、そして静かに開閉できるのです。
従前のN-Boxではベッドエリア出入りのたびに電動スライドドアが「ガーーー」って大きなモーター音をさせていたのに対して、ステップワゴンではほぼ100%この横開きドアを使用しています。
後ろから見た姿が左右非対称なのでかっこ悪いという評判もあるようですが、車中泊車としてはこの上なく便利だと思うのは私だけでしょうか?
4.ポータブルバッテリーについて
■使いたい電気製品
前述のように電子レンジを車載することにしました。また湯沸かしポットも使用しますし、寒くなったら電気毛布も使います。
各電気製品の必要電力/日当たり使用時間
A)電子レンジ=500~600W/0.5Hr
B)湯沸かしポット=1500W/0.5Hr
C)電気毛布=60W/10Hr
■ポータブル電源の選択
これらの電気製品を使えるようにするには、常時1500W(瞬間2000W)くらいの出力があって、1000Whクラスの容量が欲しいと思い比較検討した結果、EcoflowのDELTA2を新たに購入することにしました。
DELTA2の仕様
・定格出力=1500W(瞬間1900W)
・最大容量=1024Wh
・寸法=長さ40.0 x 幅21.1 x 高さ28.1 cm
・本体重量=12㎏
・急速充電=50分で80%まで充電、80分で満充電 (最大入力1,200W)
・パススルー充電可
・スマホでコントロール可
車載用として使うので、大きさや重量も大きすぎず、また容量的にも必要十分な仕様ということ。またUSBポートが全面、ACソケットが後面というのも配線の都合がよく、この機種を購入しました。
■走行充電についての不安
さて、ポータブル電源は購入したものの実は心配事項がありました。
それは、1024Whの容量は車側から見るとなかなか大きく、旅の途中で充電不足となり〝ヤバいよ!ヤバいよ!…すっからかん〝にならない???…という点で…。
この機種の入力側の仕様ですが
・AC電源=約80分(1200W)
・シガーソケット=約11時間(96W)
・ソーラーパネル=約6時間(400W)
という仕様でして、100V ACであれば大電流での短時間充電ができるのですが、シガーソケットだと一日中走り回らないと満充電とならないのです。
そこでインバーターを利用してAC充電ができないか検討をしてみました。
右の図が概念図ですが、360Wくらいの出力が見込めるので、4時間くらいで満充電できることになります。
ここまで作るには時間がかかるので、今回の遠征ではどの程度の利用と充電になるのか使い勝手を試してみる旅になりました。
■使ってみた結果
遠征でのルーチンですが
①登山を終えて移動(充電1~2時間)
②コンビニで夕食用冷凍食品購入
➂夕食。電子レンジ加熱(15分くらい使用)
④起床。湯沸かしポット(10分くらい使用)
⑤登山口へ移動(充電1~2時間)
こんな使い方で、概ね総容量に対し20~30%を使い、15~20%をシガーソケットからの走行充電で補う。時々長距離を走ることがあるので満充電まで回復させることができた。…というのが実績でした。
ということで、当初AC走行充電システムまで組む必要があるか?と心配していましたが、今のところ大容量の使用機会もなく、シガーソケット充電で事足りている状態です。
今後は冬の寒い時期にどのくらいの電力を必要とするのか?についても検証していきたいと思います。
(N-Boxでは400Whのポータブル電源で電気毛布は一晩で空っぽだったので…)