この投稿は筆者の車中泊車(ステップワゴンスパーダ RP3)にポタ電用走行充電機(Ecoflow Alternator Charger)を搭載&テストした結果を列記したものです。
同様のシステムを検討されている方々の参考になれば幸いです。
目次
Ecoflow Alternator Chargerの配線(Ecoflow 公式マニュアルより)
配線は非常に簡単です。車両の1次バッテリーからプラス配線を取ってヒューズホルダーに接続。Charger本体への入力ラインのプラス線はヒューズホルダーに締結。マイナスはボディーアースする(重要)。
そして各コネクターを接続すれば完了…なのですが。

エンジンルームへの配線引き込み
先の配線図にありますBのハーネスになりますが、このプラス配線(赤)を車内からエンジンルームに引き込む必要があります。
が、さすがに500Wの出力になりますので、12Vだと42Aも流すことになり、配線太さも8AWGサイズと太い!
さて、どのようにとりまわすか…これが最大の難関でしょうね。
また、マイナス配線(黒)はボディーアースに落とすことになるので、アースは室内のどこかに落として、エンジンルームにはプラス配線一本だけを通すという方針で進めました。

プラス配線の取り回しですが、先人たちの事例を調べて悩んだ挙句、グローブボックスの奥にあるグロメットに穴をあけて通すことにしました。
グロメットのゴムが薄い部分を探しながら、カッターナイフでスリットを切って、ワイヤーハンガーを伸ばして配線通しにしました。


バッテリーとの接続
バッテリーとの接続はヒューズボックスを介して締結するだけなので簡単ですが、プラス側の工事なので本当はバッテリーからマイナス端子を外して行った方が安全ですよね。
ただ、いったん車のシステムの電源が落ちるので、ナビのセキュリティーコード対応や、リセットされてしまうところがあったりで面倒なので、私はマイナスは外さず、ショートさせないよう慎重を期しての作業にしました。

ボディーへのアース落とし
プラス側の配線工事が終わったところで、同ハーネスのマイナス側をボディーに落とします。
場所はセンターコンソール下部のカバーを外して、ボルトへの友締めとしました。

マイナス配線で注意しなければいけなことがあります。バッテリーのマイナス端子に締結してはいけません。必ずボディーアースに落としてください。
その理由は車両側の充電制御にあります。
最近の乗用車は発電機(オルタネーター)から常時電流を取らず、使った分だけ発電する仕組みになっており、また減速中や下り坂などのできるかぎり燃費に影響しない場面で発電するようプログラムされています。
そして、どれだけ電流を使ったかをELD(Electoric Load Detector)で検出していますが、このELDがバッテリーマイナス端子よりボディー側についているので、もしバッテリーのマイナス端子に直接アースを取るとELDで電流増加分を検出できず、Alternator Chargerが消費した分が充電されず最悪バッテリー上がりということになってしまうからです。
ご注意ください。

本体の設置と結線
本来ですと本体を室内にボルト止めしたいところですが、自分のステップワゴンでは良い場所が見つからずに助手席シートのバックポケットにCharger本体を差し込むだけにしました。
発熱量がかなり低いとの評判で、使用説明においても冷却の必要性は謳ってないのでこのような方法を取りましたが、運用しながら発熱については確認してゆきたいと思います。

セッティング
1.ファームウエアの更新
ハードウエアの設置が完了しましたので、スマホアプリを利用して充電環境のセッティングを行いました。
先ずは説明書にあるとおり、ポタ電(Delta2)とAlternator Chargerのファームウエア最新化を行いました。
先人たちの苦戦記を読んでますと、古いファームウエアが原因で様々なトラブルがあるようです。
早速、我が家のWiFiが繋がる場所に車を近づけての作業を行いました。
Alternator Chargerのファームウエア=V3.0.4.10
2.初期稼働確認
デフォルト環境では始動電圧が13Vになっていました。これは車のバッテリー端子間での電圧が13Ⅴ以上であればポタ電への充電を開始するということで、13V以下になれば充電を一時停止するということになります。
シフトレンジPのまま、アイドリングで稼働確認をしたところ、正常に500Wの充電を開始しましたので、ハードウエア関係は正常で一安心です。
しかし、少し走行をしてみたところ充電が停止していることに気づきました。
シフトレンジをRやDに入れるとステップワゴン側の充電制御が働き始めます。電圧の変化を観察していると電圧が12Vあたりまで低下しており、Chargerが「電圧低下エラー」となり稼働を停めていました。

充電制御が始まると電圧が12V以下に低下することが多くなる。

始動電圧が13Ⅴを越えないまま経過すると「低電圧エラー」で充電が停止してしまう。
3.セッティング変更
走行途中で充電が停まったまま、更に放置するとシステムの電源がシャットダウンしてしまうこともわかり、デフォルトセッティングのままでは運用に堪えないことがわかりました。
そこで、始動電圧のセッティングを始めました。
走行しながら充電制御の電圧変動を追ってみると、
レンジP=13.5~14.2V
レンジR/D=11.8V→13.5V→11.8Vあたりを繰り返すことが分かってきました。
また、ファームウエアV3.0.4.10では始動電圧+0.6Vまで電圧が回復すると充電も復帰するとのことなので、始動電圧を11.5Vとしました。
このセッティングであれば、12.1Vまで電圧が回復すれば充電も復帰するはずなので、走行途中にシャットダウンすることも無いと考えました。

始動電圧は11.5Vに設定

走行途中で「低電圧エラー」や「シャットダウン」が発生しない。
4.新たな心配
以上、デフォルトに少しだけ手を加えて使えそうな状態になったEcoflow Alternetor Charger 500Wですが、新たな心配が生まれました。
というのは、始動電圧を低くしたことで、エンジン停止中でも車の一時バッテリーからポタ電に充電をしてしまうことです。
アイソレーターの場合はAcc電源を認識して電源Offする仕組みになっているのでこのような心配は無いのですが、Ecoflow Alternator Chargerにはそのような機能がありません。
実際に不具合事例が無いか調べてみたところ、Alternator Charger を止めずに就寝し、朝起きたら車両のバッテリー上がりでエンジンがかけられなかった例がありました。
Chargerの電源ボタン部に使用用途不明のコネクターがついているので、ひょっとするとAcc電源連動ができるような裏技があったりするのかもしれません。調査継続ですね。
まとめ
以上、Ecoflow Alternator Chargerについてハードウエアのセットアップと充電制御車対応のセッティング変更について列記してきましたが、ポタ電の充電時間はかなり短縮できそうでこれからの車中泊で電力不足に悩まずに済みそうです。
最後の心配に書いたように「電源Off忘れずに!」を心がけて失敗しないよう使っていきたいと思います。