登山を趣味にしている私ですが、過去に長距離車移動で疲れてから登山して体調不良になったことがあったり、登山口を早朝に出発しないと日帰りできない山行だったりがあり、登山口やその近くの道の駅などで車中泊をするようになりました。
2017年から軽自動車(N-Box)にベッドキットを組み込んで、小型(600Wh)のポータブル電源で四季の車中泊を楽しんでいたのですが、だんだんと大きな車が欲しくなったり調理機器も欲しくなったりと欲が出て2024年3月に中古のステップワゴン(19M RP3)を購入して改造にいそしんできました。
車載の二次電源
ステップワゴンでは電子レンジを載せて、湯沸かしポットも利用できる環境を構築したいと考えたのですが、リチウムフェライトバッテリーで二次電源システムを組もうとするとコスト的にはかなりかかるのと、システムを収めるスペースも大きくなるので、当面はEcoflowのDelta2というポータブルバッテリーを二次電源とすることにしました。
Delta2の容量は1024Whです。すこし小さいのです。例えばコンビニで冷凍食品を買って登山口で15分ほど電子レンジを使うと300~400Whくらい使うことになります。なので2晩くらいが連続使用限界なのですが、2000Whのポタ電になると車載するにはでかいのです。

二次電源の充電方法…どうする?
Delta2を購入するにあたって、充電はどうしようかといろいろ検討しました。
- AC充電:山行旅行途中ではRVパークなどACを利用できるところに泊まることが少ないのでNG
- ソーラー充電:携帯ソーラーパネルではMax160W仕様でも、天気が良くても100~120Wあたりが実力なので、400Wを埋めるには4時間くらいかかる。時間かかりすぎでNG
- 走行充電:移動しながらの充電が効率良い。
~1)シガーライターから充電:100W弱の出力。400Wを埋めるには5時間くらい走る必要あり。
~2)車載ソーラー:屋根にパネルを設置していつでも充電。登山中も充電できるが火災が怖い。
~3)車のオルタネーター(発電機)を利用した走行充電機を作る。360Wくらいは楽に出せる。
…ということで走行充電のシステムを組むのがベストという結論に至りました。
走行充電システム検討
さて、どんな機材を使ってコストはどれくらいかかるのだろうかと検討した結果…

このような仕組みで作れば成立するはず…という結論に。
そしてどうなった?
2024年3月末:ステップワゴン(中古)納車
2024年4月 :ベッドキット購入/ポータブル電源購入/電子レンジ購入&レンジ台DIY
2024年5月 :東北山行(10日間)
東北山行にステップワゴンを間に合わせるべく4月の一か月間で準備を進めましたが、結局走行充電システムをDIYする時間は無く遠征に突入。
その間、ポタ電はシガーソケットからチマチマと充電していました。
東北遠征は幸い移動時間が長いところが多く、ポタ電の容量不足になるようなことはありませんでした。
走行充電システムの導入決定
東北山行以降は長くても4泊くらいの山行でしたのでポタ電の充電で困ることはあまりなかったのですが、やはりもっと電力量の多い充電システムが必要と感じたのは冬でした。
2025年2月に唐松岳に向けて八方尾根を日帰りで登りに行った時ですが、前泊は大町市の薬師の湯で車中泊をしました。
この時、外気温は-10℃。電気敷毛布+電気かけ毛布を一晩使用しましたが、1024WhのDelta2と600Whの小型ポタ電のかなりの容量を使ってしまい、下山後にもう一晩車中泊をするには心もとない残容量に…(悲)
ということで、下山後はAC電源のあるRVパークを利用することになり、やはり出力の大きい走行充電は必要だなという結論になりました。
一方、新たな課題が見えてきました。
と言いますのは、最近の四輪車は燃費改良のために充電制御をしています。簡単にいうと使った分だけ発電することで、負荷を最小化して燃費を稼ぐ仕組みです。
走行充電を考えるうえで考慮しなければいけないのが電圧でして、オルタネータが発電していないときは11V台まで低下することがあるので、昇圧機能のあるアイソレーターを使わないとポタ電に充電できなかったり、車両の充電制御センサー(ELD=Electric Load Detector)にポタ電に共有した電流量を認識させないと車両のバッテリーが上がってしまうということが発生したりします。
Ecoflow Alternator Chargerの導入
充電制御対応として昇圧機能のついているアイソレーターを探したりなんやらかんやらやっているうちに、なんとEcoflow(中華製)からアイソレーターとコンバーターが一体化されたAlternator Chargerが販売されるようになり、車中泊ユーザーの人柱投稿もそこそこ出てきて、「これは使えそうだぞ!」という感触になってきました。
このAlternator Chargerですが、800W版が先んじて販売開始となり、最近になって500W版が後を追っていますが、様々なポタ電源に対応するようになっており充電制御車にも適合するよう、充電開始電圧も11Vから0.1V刻みに選択できる等、スマホアプリ経由でモニタリングやコントロールできるという、車中泊ユーザーの心をくすぐるような商品になっています。

そして2025年5月。もうこれは購入するしかないと500W仕様のAlternator Chargerを購入しました。
さて、車両へのセットアップは如何に?本当に使える代物なのか?結果にご期待!
→「ステップワゴンRP3へEcoflow Alternator Chargerを付けてみた」…へ。