続いて「登山のPDCA」について触れたいと思います。
P(Plan)D(Do)C(Check)A(Action)つまり、計画・実行・振り返り・行動というサイクルを表しますが、企業では事業計画などの策定によく使われる手法です。
登山においても「自らの自立や個人(または団体)の成長」において非常に有用な手法であると思います。
具体的にどのようなことを行うのかと言いますと…
- Plan:山行計画の作成
・リスクとなりうる様々な事項を事前に徹底調査をして、計画段階でリスク要因を最小化した山行計画を作成する。
・また、山行計画を登山届として家庭や都道府県警察に指定された窓口に提出する。 - Do:山行の実行
・山行現場では五感を用いた注意を払いながら計画に沿った行動をするが、計画とは異なる事態が発生した場合に合理的な判断(オンサイトリスクマネージメント)を行う。
・合理的判断は仲間や登山情報サイト等の実体験情報に多く触れたり、このPDCAを自らが何度も回すことで得られる経験で知識・知恵を成長させる。 - Check:山行記録の作成
・山行で計画通りいかなかったこと、失敗したこと、思いのほか成功したことなど、事実を整理して山行記録を作成する。
・失敗したこと、成功したことは「何故そのようになったのか?」の原因分析を源流まで行い明確にする。(個人のせいにしない。計画の落ち度や原因となった行動等を突き詰める) - Action:記録や自らの経験に落とし込む
・「過去トラブル」や「ひやり・ハッとリスト」等の記録(記憶)に留める。または団体への報告を行い共有する。
このように山行のたびにPDCAを回していくことにより、自らの経験値はあがり「自立」へと向かっていくでしょうし、団体としても決め事や教育計画が強化されて「成長」していくことができます。